第12章

鈴宮若子は青山精神病院の重症病棟へと送り込まれた。

夜。

重たそうな鉄扉がぎい、と押し開けられる。ベッドの上で身を縮めていた若子は、骨ばった体つきが痛々しいほどに頼りなかった。

屈強な男が何人も、どっと病室になだれ込む。

最後尾にいたのは院長だった。

「鈴宮さん。林原さんから、あなたのことは「よろしく」って頼まれてましてね。悪く思わないでください」

「やれ。殺さなきゃいい」

男たちが一斉に飛びかかり、若子の髪を鷲づかみにしてベッドから床へ引きずり落とした。

腹に、容赦ない蹴りがめり込む。

「ぐっ……」

胃の中がひっくり返るような吐き気。次の瞬間、口いっぱいに鉄の味が広がり...

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