第121章

沈村グループ本社ビル。

息が詰まるほど重苦しい空気が、フロア全体に沈殿していた。

「大村補佐、沈村様はいつになったら表に出て、きちんと説明してくださるんです?」

「このまま株価が落ち続けたら……会社が潰れますよ」

幹部たちが大村秀喜を取り囲み、焦りを隠そうともしない。

大村秀喜の額には冷や汗がびっしり浮かんでいた。手の中のスマホを、壊れそうなほど強く握りしめる。

画面には未着信が何十件も並んでいる。すべて沈村政志からだ。

なのに、こちらからかけても繋がらない。

病院にも行った。沈村家の別荘にも行った。

沈村政志が、いない。

誰も、彼がどこへ行ったのか知らない。

沈村グル...

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