第28章

けれど、返事はどこからも返ってこなかった。彼女が心の底から求めてやまない沈村政志は、林原雨子を連れて医者探しに奔走している。残されたのは、痛みを孕んだ記憶に沈んでいく彼女ひとりだけだった。

数日後。

H市私立病院、最上階VIP検査室。

エディソンは分厚い健康診断の資料一式を、机の上に叩きつけた。

「沈村さん、冗談が過ぎる」

アメリカから大金で呼び寄せられた一流の外科医。その男は一方通行ガラスの向こうの病室を指さし、信じられないという顔をした。

病床の鈴宮若子は、身を小さく丸めている。

痩せすぎていた。病衣はぶかぶかで、身体に寄り添う気配すらない。露出した手首には紫紅色の締めつけ...

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