第40章

男看護師の声には、あからさまな嘲りが混じっていた。

「おまえの弟、頭までぐしゃぐしゃに潰れてたんだろ。しかも死体はアフリカなんて場所だ。今ごろ野良犬に食い散らかされて、骨も残っちゃいないんじゃないか? 姉のくせに、おまえはよくものうのうと生きていられるな」

鈴宮若子の全身を、血がどっと逆流するように駆け巡る。

心電モニターの数値が一気に跳ね上がり、けたたましい警報音が鳴り響いた。

男看護師は警報線のプラグを乱暴に引き抜く。部屋に残ったのは、機器の赤いランプが明滅する光だけだった。

「林原さんが言ってたよ。生きてたって苦しいだけだ、だったらさっさと死んだ弟のところへ行ったほうがいいっ...

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