第42章

沈村政志に飲まされた薬は、効き目が異様に早かった。

ほんの数分。

鈴宮若子は、下腹の奥から火が立ち上がるのを感じた。

その火は血に乗り、全身へと狂ったように燃え広がっていく。

呼吸が熱を帯びる。

吐く息が酸素マスクに当たり、白い曇りをつくった。

肌もじわりと赤くなる。

空虚感が押し寄せ、理性をむさぼり食うように削っていった。

「……熱い」

鈴宮若子は歯を食いしばり、シーツを握り潰す。

手の甲の血管が浮き上がる。

――わかる。これは。

この外道……!

全身粉砕骨折、内臓は出血まみれ。そんな状態の自分に、よりにもよってこんな薬を流し込むなんて。

「沈村政志……あんた、...

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