第49章

彼女にはわからなかった。どうして、こんなことになってしまったのか。

なぜ、彼は自分を信じてくれないのか。

ろくに確かめもせず、最初から彼女が悪いと決めつけた。

全身を襲う痛みが、波のように次から次へと神経を打ち据える。

鈴宮若子の意識は少しずつ薄れ、目の前の景色はぼやけていった。

「沈村政志……」

鈴宮若子は唇をかすかに震わせ、自分にしか聞こえないほどの小さな声でつぶやく。

「いつか……きっと後悔する……」

その言葉を最後に、鈴宮若子の頭は力なく垂れた。完全に意識を失った身体が、ぐにゃりと鉄桶の中へ沈み込んでいく。

沈村政志は、生気を失った彼女の姿を見つめたまま、胸の奥を鋭...

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