第55章

鈴宮若子の顔は血の気を失い、紫がかっていた。額には青筋が浮き上がっている。

手の甲から抜かれた留置針の穴は、なおもどくどくと血を吐き、シーツを一面真っ赤に染めていた。

ピ、ピ、ピ――

モニターの警報は耳を刺すほどけたたましく、赤いランプが狂ったように点滅する。

「鈴宮若子!」

沈村政志の喉奥から、怒号が爆ぜた。

三歩を二歩で詰めてベッドへ飛びつき、両手でぴんと張った輸液チューブを鷲づかみにする。

鈴宮若子の力は異様だった。柔らかい管を、死ぬほどの勢いで握り締めて離さない。

沈村政志は奥歯を噛みしめ、手の甲に青筋を立てたまま、ぐっと力を込める。

ぶちっ。

無理矢理、チューブ...

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