第64章

「……やりやがる」

沈村政志は歯の隙間から吐き捨てた。ひとつひとつの言葉に、血の匂いがまとわりつく。

彼は傍らのボディガードの襟首を乱暴につかみ上げた。力が強すぎて、相手の首がねじ切れそうになる。

「調べろ」声はしゃがれているのに、背筋を凍らせるほど狂気が滲んでいた。「旧市街をもう一度ひっくり返せ! 人が住める場所は全部だ。家ごとに、しらみつぶしに探せ!」

「それから――」

沈村政志は手を放し、そこにいる全員を睨めつけた。その凶悪な眼光に、誰もが骨の髄まで冷える。

「鈴宮若子の人間関係を洗え。男も女も関係ない。一人残らずだ!」

「誰があいつに度胸をつけたのか……俺のものに手を出...

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