第73章

干せた男は、さっきのひと触れで魂を抜かれた。

自分の手を見つめ、次いで鉄格子の檻の中の女へ、飢えた目を向ける。

「沈村様、もう一回だ!」

目の前に残ったみじめなチップに、沈村政志から巻き上げた分までまとめて、どん、と卓の中央へ押し出した。

ディーラーがカードを配る。

干せた男は手札を受け取ると、両手でぎゅっと覆い、ほんの隙間だけ開けて覗いた。

見終えた瞬間、頬の肉がぴくりと震え、歯を食いしばって叫ぶ。

「オールイン!」

沈村政志は自分のカードすら見ない。二本の指で目の前のチップの束をつまみ、無造作に放り投げた。

ショーダウン。

干せた男はJのワンペア。得意げにカードを卓へ...

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