第76章

ドアの鍵が外される音がした。

数人の男が、ベルトを締め直しながら病室から出てくる。 

廊下へ出たところで、スキンヘッドの男は皺だらけの上着をぱんぱんと叩いて整えた。そのまま正面から沈村政志と鉢合わせる。

「沈村様、終わりました」男は額の汗を拭い、しばらく逡巡してから口を開いた。「さっき、俺らで結構きつくやっちまって……中の男、たぶんもう半分死んでます」

沈村政志は相手に取り合う気もなく、男の脇をすり抜けて病室へ入った。

鼻を刺す濃い血の匂い。そこに、言葉にしがたい濁った臭気が混じっている。

静かすぎて、死んだみたいだ。

部屋の中央のベッドに、鈴宮辰也が全裸のまま、息をしているの...

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