第95章

ICUの中。

病室は、息をひそめたみたいに静まり返っていた。かすかに聞こえるのは、心電図モニターの電子音だけ。

鈴宮若子の意識が、ゆっくりと浮上してくる。

全身に走る鋭い痛み。まるで無数の鈍い刃物で肉を削られているみたいだった。四肢は包帯と固定ベルトでベッドにがっちり縛りつけられている。

下半身は、何の感覚もない。腰から下だけ、人生ごと切り落とされたように――。

若子は口を開け、声を出そうとした。

だが喉には管が入っている。息が漏れるだけで、言葉にならない。

若子は勢いよく目を見開いた。

光がない。あるのは、ただの闇。

一瞬、理解できずに固まる。必死に瞬きを繰り返しても、視...

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