第99章

廊下は、息をするのも憚られるほどの静寂に包まれていた。

救急処置室の上で、赤いランプだけが点き続けている。

沈村政志は壁にもたれ、閉ざされた二枚の扉を凝視していた。瞬きすら怖い。――ただ、彼女が目を覚ましてくれさえすれば。生きていてくれさえすれば。

誓う。もう二度と、あんなふうに苦しめたりしない。

最高の医者を探して、身体も、脚も治させる。

たとえ一生歩けなくなっても、俺が養う。

数歩離れた場所に、林原雨子が立っていた。

沈村政志の魂が抜けたような横顔を見つめながら、奥歯が砕けそうなほど噛みしめる。

鈴宮若子が今回、本当に死んでくれたなら――すべてが完璧だ。

鈴宮若子さえ死...

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