第6章

 由治の息遣いが、さらに酷くなっていた。

 息を吸い込むたびに、まるで闘いのようだった。湿り気を帯びた、ひび割れたような音が鳴る。詰まった管のなかを、空気が無理やり押し通っていくような音だ。彼の胸はもうほとんど上下していない。指先の痙攣もすでに止まっていた。布団の下にある両脚は、完全に生気を失い、ただの重たい肉の塊と化している。

 だが、その目だけは生きていた。見開かれた両眼が、私と、天井と、ドアの間をせわしなく行き来している。脳が必死に指令を送り続けているのに、肉体がすでに受信を完全に放棄してしまったかのようだった。

「一番面白いところが知りたい?」

 私はバスローブの乱れを直し、...

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