第5章
執務机の上に散乱する五つの素行調査報告書は、どれも同じ結末を告げていた——収穫ゼロ。充血した目で、義樹はその紙切れをねめつける。もう二日間も一睡もしていない。皺だらけのジャケットは椅子の背にだらしなく掛けられ、シャツの襟元ははだけ、顎には無精髭がびっしりと這っていた。
スマホが鳴った。
「上野様、奥様が車で空港へ向かわれたことまでは突き止めました。ですが、その後の搭乗記録や行き先が一切つかめません」
「つかめないとはどういうことだ」
「パスポートの記録がブロックされているのです。銀行口座にも不審な動きは一切なく、携帯電話は完全に音信不通でして」
「引き続き探せ! いくら金がかか...
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