第4章

 その日の夜、圭太は地下室のドアを蹴り破った。

 病院から車を飛ばして直行してきたのだ。理奈はまだ息をしてはいたが、ありとあらゆる生命維持装置に繋がれ、かろうじて生きている状態だった。医師たちが告げたタイムリミットは、数日ではなく、あと数時間というところまで迫っていた。

 簡易ベッドは整えられていた。部屋の隅には使用済みのガーゼがいくつか転がっている。換気窓の鉄格子は、外側から綺麗に切断されていた。

「琴音!」彼の怒声がコンクリートの壁に反響した。「出てこい! 理奈が病院のベッドで死にかけているっていうのに、かくれんぼのつもりか? 琴音!」

 何の返事もない。

 階段を降りてきた家...

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