第7章

 セリーナの裁判はそう長引かなかった。証拠は揃っている。現場には彼女の指紋が残り、スマートフォンには通話履歴が残されていた。それに、マーカスが死の間際にすべてを自白していたからだ。

 法廷で彼女は弁護士を立てることなく、ただ無表情のまま被告人席に座っていた。

 最後に何か言いたいことはあるか、と裁判官に問われたとき。彼女は立ち上がり、くるりと振り返って傍聴席のイーサンを見つめた。

「あんたの妹が死んだ日、外は雨が降っていたわ」

 彼女は言った。

「あの子、炎の中に倒れ込みながら、ずっとあんたの名前を呼んでいたのよ」

 イーサンは微動だにせず、ただそこに座っていた。

 彼女に言い...

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