第7章

 巨大なホログラムスクリーンが、薄暗いCEOラウンジに淡い青光りを落としていた。

 私はふかふかの一人掛けソファに身体を沈め、ワイングラスを指先でゆらりと揺らす。

「お嬢様。東京の邸宅、主寝室に仕込んだ盗聴器と超高精細ピンホールカメラ――すべて起動しました」

 影山は私の半歩うしろでタブレットを開く。画面の向こう、東京は叩きつけるような豪雨だった。

 昨日、会社から叩き出された達彦が、野良犬みたいによろめきながら玄関を押し開ける。握りしめた酒瓶が、雨水を弾いた。

 豪邸は真っ暗だった。破産を宣言し、巨額の負債を背負ってから――一分も経たないうちに、使用人も警備も、持ち出せる現金と貴...

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