第8章

 達彦はわざとらしいほどみすぼらしい身なりに身を落とし、公園の鬱蒼とした林へ身を丸めていた。闇金の追っ手に、また危うく見つかりかけたところだ。玲美とその新しい男は、とうの昔に影も形もない。

 達彦は木の幹に拳を叩きつけたい衝動を噛み殺し、歯ぎしりする。

「……あのクズ。絶対に、のうのうと逃がしてたまるか」

 林を抜けると、彼は薄暗い小さなネットカフェへ滑り込んだ。手慣れた動きで端末を立ち上げ、日本でも悪名高い地下のダークネット掲示板へログインする。

 半球向こうの私は、窓辺に立ち、コーヒーを片手に外の景色を眺めていた。心は驚くほど凪いでいる。

「お嬢様。2時間ほど前、暗網のクローズ...

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