第6章

 救急処置室のベッドサイドで、英介は包帯の巻かれた優樹の手を優しく握りしめていた。

「気分は良くなったか?」

 優樹は弱々しく彼の肩に頭を預ける。

「英介さんがいてくれるから、もう怖くないよ」

 英介は奥歯を噛み締めた。

「今回の友佳は度が過ぎている。あいつにはきっちりと落とし前をつけさせるからな」

「お姉ちゃんを悪く言わないで……」優樹は消え入りそうな声で呟く。

「きっと、お父さんたちが私ばかり可愛がるから、寂しかっただけなの」

 私の魂は病室の隅に漂い、その光景を冷ややかな目で見下ろしていた。

 英介に支えられ、優樹が処置室を出る。

 優樹は涙を拭いながら言葉を紡ぐ。...

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