第7章
正門の上空にふわりと浮かび、眼下に蠢く影を見下ろす。カメラや機材を抱えたその群れは、スターリング邸の威圧的な鉄柵の外にへばりついていた。
まるで血の匂いを嗅ぎつけた鮫だ。興奮と殺気が入り混じり、機材を調整しながら内通者から得た情報を囁き合っている。
女性アナウンサーがカメラに向かって声を張り上げた。
「この三億円の豪邸で、今まさに身の毛もよだつ家庭内の悲劇が進行しています……」
私は彼女の背後に回り込み、カンペを覗き込んだ。そこに並ぶのは、扇情的な言葉の羅列。「悪魔の如き父母」「血に染まった金」「生きた臓器バンク」――その一文字一文字が、鋭利なナイフのように突き刺さる。
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