第108章

藤原翔太は、よく覚えている。

昔、ママも毎日のように自分のために薬膳を用意してくれていたことを。

一時期なんて、昼にもわざわざ来て、薬膳を届けてくれたことまであった。

けれど、もうとっくに食べ飽きていた翔太は、先生の目を盗んでこっそり全部ゴミ箱に捨てていた。

なのに――自分があれほど嫌っていた薬膳を、クラスのみんなは取り合うように食べている?

藤原翔太がぽかんとしていると、藤原陽向がそっと近づいてきた。

「翔太、きみとその有紀ちゃんの負けだよ」

得意げな顔を見た途端、翔太はむっとする。

「何をそんなに偉そうにしてるんだよ? そのうちボクと有紀ちゃんが絶対に勝つからな」

する...

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