第011章

菅田友香は手早く、半分は新しく半分はくたびれた地味な服を脱ぎ捨て、選んでおいた淡い紫の新しいワンピースに袖を通した。

少しして鏡の前に立つ。そこに映るのは、見違えるように整った自分。

――いいじゃない。

六年以上。こんなふうに「きちんと」自分を飾ったことなんて、なかった。

友香は鏡を見つめながら、額の傷跡にそっと指を当てる。少し考え、髪を結い直して前髪を流し、傷を半分以上隠した。

それから昨日、清水奈々に「絶対!」と押し切られて買わされた有名ブランドのコスメを引っぱり出し、軽く――けれど抜かりなく、薄化粧を仕上げる。

「……うわ、完璧」

部屋からしとやかに出てきた菅田友香を見た...

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