第118章

菅田有紀は永橋英明に向かってふわりと甘い笑みを浮かべると、待ちきれないように名刺を受け取った。

「はじめまして、英明さん。菅田有紀です。菅田友香は私のお姉ちゃんなんです」

永橋英明の笑みが、ほんの少しだけ薄くなる。

「はじめまして。永橋と呼んでください」

菅田有紀は一瞬きょとんとした。だが、すぐにいかにも聞き分けのいい顔になり、素直に頷く。

「はい。じゃあ、あなたも私のこと、有紀って呼んでくださいね」

すると横にいた藤原行船が、ふと思い出したように口を挟んだ。

「そうだ、おまえ心臓内科の専門だったよな。ちょうどいい。有紀を診てやってくれ」

永橋英明は菅田有紀へ視線を向ける。

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