第120章

「おばちゃん? いったいどこ行ったの?」

藤原翔太がぶつぶつと呼びながら、あちこちを探し回っている。

その声を耳にしても、菅田友香は自分の空耳だと思った。

――まさか。

藤原翔太の声なわけがない。

あれほど菅田有紀に懐いているのだ。きっと今も、ぴったりくっついて離れないはず。

なのに、どうして自分を探しに来るなんてことがあるだろう。

おかしい、と胸の内で自嘲しながら、菅田友香は気づけば手元のマンゴーケーキをきれいに食べ切っていた。

おいしい。

マンゴーケーキなんて、最後に食べたのがいつだったか、もう思い出せない。

藤原翔太はマンゴーにアレルギーがあるくせに、なぜかあの香り...

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