第013章

その言葉を吐き捨てると、菅田有紀は得意げに手を引っ込め、両腕を胸の前で組んだ。あとは菅田友香が崩れ落ち、みっともなく取り乱すのを眺めるだけ――そんな顔。

昔なら、友香は「世界が終わった」とでもいうように胸をかきむしり、息もできないほど傷ついていたはずだ。

けれど今は違う。心の底に小石を落としたところで、深い海は波ひとつ立たない。

むしろ、わざとらしく目を見開いてみせる。

「……ああ、やっと分かった。あなた、最初から知ってたんだよね。藤原行船があなたを好きだったって。それでも海外に行ったのは――私が藤原行船と結婚するのを待って、戻ってきて他人の夫を奪うため?」

「さすがね。浮気相手の...

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