第014章

向かいの菅田友香は、相変わらず淡々とした表情のまま、一言も返さなかった。

藤原行船の声が、さらにひやりと落ちる。

「菅田友香、今すぐ有紀に謝れ」

だが菅田友香は、まるで愚か者を見るように彼を一瞥すると、そのまま踵を返して歩き出した。

二歩も進まないうちに、藤原行船が片手で彼女の腕を掴む。

「菅田友香、謝れ!」

振りほどこうとしても、びくともしない。

菅田友香は鋭く睨みつけた。

「放して」

藤原行船は顔を青黒くしたまま、指を緩める気配すらない。

「怒りがあるなら俺にぶつけろ。有紀の面倒を見るって決めたのは俺だ。あいつは関係ない」

正面から見据え、菅田友香が乾いた笑いを漏ら...

ログインして続きを読む