第145章

中島さんはにっと歯を見せ、胸のつかえが取れたみたいに笑った。

「やっぱり、ここにあった!」

「さっき、私がファスナーを全部開けてなかったの。ブローチがファスナーに引っかかって見えなかっただけよ」

そう言うなり、彼女は自信満々にショルダーバッグをぶんっと振った。

ぱんっ!

案の定、きらりと眩い宝石のブローチが、バッグの中から転げ落ちた。

「うそ……本当に宝石のブローチ!」

「間違いない、これは東山先生の作品だ」

「じゃあ、さっきの若い社員を疑ったのは俺たちの早とちりか」

「これで動かぬ証拠だ。菅田友香、どう言い逃れする気?」

……ざわめきが広がる中、中島さんの口元は、もう隠...

ログインして続きを読む