第018章

オークションはほどなくして始まった。

立て続けにいくつもの品が競りにかけられていくが、菅田友香は一向に札を上げる気配を見せない。彼女の狙いはただ一つ――母、東山菫のジュエリー作品だけだった。

そして通路を挟んだ席にいる菅田有紀も、やけにお行儀よく静かに座っている。まるでただの見物客みたいに。

……けれど、友香はどうしても安心できなかった。あの継妹のことを、彼女は嫌というほど知っている。

そんなとき、壇上のスタッフがようやく、蝶をモチーフにした宝石のブローチを掲げた。

――やっぱり。母の作品だ。

母は昔から蝶に心を奪われていて、蝶をインスピレーションに生まれた一連の作品は国際的にも...

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