第025章

藤原翔太が言い終えたというのに、菅田友香はなおも顔を上げず、藤原陽向の魚の骨を黙々と取っていた。

「パパにやってもらいなさい」

それを聞いた藤原行船は、ぴたりと手を止め、みるみる顔を曇らせる。

「翔太。パパがやる」

――とは言ったものの。

藤原行船は小さい頃から何不自由なく育ってきた。こんな細かい作業など、やったことがあるはずもない。

つついて、つついて、つついて。

立派だったはずの魚の身は、いつの間にかぐちゃぐちゃのペーストみたいになっていた。

それを見た藤原翔太は唇をへの字に曲げ、今にも泣き出しそうになる。

見かねた藤原雅子が、菅田友香に鋭い視線を投げた。

「友香、あ...

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