第026章

「きゃっ!」

背後から、突然の悲鳴が上がった。

菅田友香が振り返る――何が起きたの?

菅田有紀が足を滑らせ、蓮池に落ちていた。

あまりに突然で、友香は声も出ない。

水面で必死にもがき、ばしゃばしゃと手足を動かす有紀。その姿を見つめたまま、思考が止まった。

次の瞬間、背の高い影が矢のように駆け込んできた。

「有紀!」

藤原行船は迷うことなく、どぼんと蓮池へ飛び込む。

泳ぎは達者らしく、ほどなく有紀を引き上げた。

だが、腕の中の有紀は顔面蒼白で、意識がない。

それを抱えた行船の表情は、黒雲みたいに暗く沈んでいた。

「友香、これで終わりだと思うなよ!」

吐き捨てると、有紀...

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