第031章

早く片をつけるつもりで、菅田友香はまっすぐ主寝室へ向かった。

ドアを開けた瞬間、異変に気づく。

部屋の中に、明らかに女物が増えていた。ドレッサーには化粧品やスキンケア用品、アクセサリー。そこかしこに、無造作に置かれた女物の服やハンドバッグまである。

これは――

菅田有紀の物だ。

そのとき、洗面所のほうから声がした。

「行船お兄ちゃん? 帰ってきたの?」

やっぱり、あいつだ。

友香が黙ったままでいると、有紀はさらに問いかけてきた。

「行船お兄ちゃん、買ってきてくれた?」

それでも、菅田友香は何も答えない。

藤原行船――やってくれる。

まだ離婚の手続きすら済んでいないのに...

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