第035章

菅田有紀は彼の腕をきゅっと掴み、震える声で訴えた。

「行船兄さん、これはお姉ちゃんのせいじゃないの」

「全部、私が悪いの……離婚協議のことで悩んでるのを見て、つい、お姉ちゃんを説得しようと思って……もう揉めないでって」

「でも、どこで何を間違えたのか……お姉ちゃんを怒らせちゃって……それで、お姉ちゃんもつい、カッとなって……」

「ごめんなさい……全部、私のせい」

腕の中でしゃくり上げる菅田有紀を見下ろし、藤原行船はぎゅっと目を閉じた。

「菅田友香……おまえ、やりすぎだ!」

藤原行船の手のひらが高く振り上がる。

だが菅田友香は避けもしない。ただ冷え切った目で彼を見返した。

な...

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