第054章

果然、次の瞬間だった。

菅田有紀がいきなり菅田友香の手をぎゅっと掴み……そのまま、ぐいっと――!

「あっ!」

有紀が手を放すのと同時に、カップのコーヒーが友香の頭から顔へ、べちゃりと浴びせかけられた。

そして有紀は、まるで大きな衝撃でも受けたみたいに、よろりとよろめいて転ぶ。ガシャン、と食器が跳ね、椅子が倒れ、床は一瞬でぐちゃぐちゃだ。

その光景を見て、友香の胸の奥がすっと冷える。

向かいでは、有紀が目を赤くし、いかにも可哀想そうに友香へ顔を向けた。

「お姉ちゃん……安心して。お姉ちゃんがどんなことしても、私、絶対に恨んだりしないから」

店内の客がざわつき、友香へ向けてひそひ...

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