第059章

老人は頬の筋肉をびくりと引きつらせ、腰掛けから勢いよく立ち上がった。

「お、お前……何をするつもりだ!」

菅田有紀は小首をかしげ、無垢そのものの瞳で返す。

「先生、それは……こちらの台詞では?」

言い終えるや否や、彼女は突然「あっ」と悲鳴を上げた。

「や、やめて……何するんですか!」

同時に、指先にぐっと力を込め、自分で襟元をさらに乱暴に引き下げる。

一瞬で左肩が大きくあらわになり、白く滑らかな肌が露出した。

老人は目を見開き、指をさしたまま言葉を失う。

そこへ、鈴木知英が勢いよく駆け込んできた。

入るなり上着を脱ぎ、有紀の肩へばさりと掛けると、彼女を乱暴に引き寄せて自分...

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