第063章

「慰謝料については、こちらも法外な額を求めるつもりはありません。ただ……500万で」

その場にいた警察官も、野次馬たちも、一斉に目を見開いた。

大して求めないと言いながら、口を開けば500万。

この女、とんでもない額をふっかけてきた。

案の定、藤原行船が何か言うより早く、鈴木知英が先に噛みついた。

「500万? てめえ、いっそ強盗でもしたらどうだよ」

だが、菅田友香は鈴木知英など一瞥もしない。ただ瞬きもせず、藤原行船だけを見据えていた。

「天城幸宏先生の腕前については、藤原社長もよくご存じのはずです」

「毎日、診てもらいたいと訪ねてくる患者さんは後を絶ちません」

「それなの...

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