第069章

1億……!

あのANN、本当に図々しいにもほどがある。

だめ。藤原グループの金は、いずれ全部私のものになるんだから。あんなクズに、これ以上行船兄さんの金をかすめ取らせるわけにはいかない。

菅田有紀は奥歯をぎりっと噛みしめたが、すぐに思いついたように顔を曇らせた。

「行船兄さん、全部……私が悪いの」

藤原行船は一瞬きょとんとした。

「どうした?」

菅田有紀は両手の指を絡め、申し訳なさそうに俯く。

「私に実績が足りないから……。もっと力があれば、行船兄さんだってANNなんかに振り回されずに済んだのに」

「だって、あの1億だって……全部、行船兄さんが必死に稼いだお金でしょう?」

...

ログインして続きを読む