第075章

次の瞬間、菅田有紀は見るからに悔しそうな顔で藤原行船のそばへ歩み寄り、そっと腰を下ろした。

「行船兄さん……さっきの私、がっかりさせちゃった?」

藤原行船が答えるより早く、彼女はみすぼらしいほど哀れっぽい声で続ける。

「本当は、お腹に優しいお粥を作りたくなかったわけじゃないの。……ただ、私が作っても上手くできないんじゃないかって、不安だっただけで」

「それで、田中さんはお姉ちゃんのお粥を見慣れてるし、台所仕事だってやり慣れてる。だから、きっと私よりずっと美味しく炊けるだろうなって思って……」

菅田有紀は言いながら、ちらり、ちらりと藤原行船の顔色を盗み見た。

「なのに、田中さんがあ...

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