第6章
連なる山脈の上を巨竜が滑るように越え、雲を突き抜けた瞬間――目の前の光景に、私は言葉を失った。
竜族の領地といえば、原始的な洞窟か、古代の神殿めいた場所を想像していた。けれどそこにあったのは、驚くほど近代的な都市だった。
高層の建物がいくつもそびえ、道は広く、磨き上げられたように整っている。外観は現代的なのに、壁面や装飾には竜族特有の紋様やトーテムが自然に溶け込み、異質さよりも美しさが勝っていた。
上空ではときおり巨竜が悠々と横切り、地上を歩く竜族の人々は人間に似た姿をしている。ただ、体格も骨格もひと回り強靭で、視線を交わすだけで圧に近い生命力が伝わってくる。
キーランに抱えられたま...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
縮小
拡大
