第146章

岩崎奈緒はそのまま立ち去ろうとしたが、先ほど谷口優奈にあのようなメッセージを送ってしまった手前、彼女が来ることは分かっていたので、エレベーターホールで待つことにした。

谷口優奈はすぐにやって来た。風を切るように歩き、ハイヒールの先端で床に穴を開けてしまいそうな勢いだ。

「優奈?」

岩崎奈緒が声をかけると、谷口優奈は頬を赤らめて怒りを露わにし、そのまま廊下の反対側にあるスイートルームへと向かって行った。

「バンバンバン!」

彼女は何度かドアを叩き、手のひらが赤くなるほどだった。

中には男女二名ずつ、計四人がおり、誕生日を祝っている最中で、皆でバースデーソングを歌っていた。

ドアを...

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