第151章

岩崎雄大はすでに車に乗り込んでおり、岩崎陽菜と岩崎直樹は顔を見合わせ、それに続いて乗り込んだ。

岩崎陽菜は窓際の席に座ると、遠くに停まっている一台の高級車が目に入り、その瞳が微かに揺れた。

あれは藤原光司の車だ!

「まだ出さないで、ちょっと会ってくる人がいるから!」

彼女の声は興奮を帯びていた。まさかこんな場所で藤原光司に会えるとは思ってもみなかったのだ。車内の他の人が反応するよりも早く、岩崎陽菜はドアを開けて車を降り、まっすぐ藤原光司の車の前へと向かった。

車の窓は閉められており、外から中を窺うことはできない。

しかし、岩崎陽菜は密かに藤原光司を追い続けてきたのだ。彼が乗る車は...

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