第301章

岩崎直樹の口の中は血の味で満ち、岩崎奈緒の顔、その体を思うと、全身が熱くなった。

しかし、あの場所は二度と硬くなることはなかった。その感覚は、その部位の死んだような静けさと鮮やかな対照をなしていた。

彼は怒りのあまり雄叫びを上げ、テーブルの上の物を全て床に叩きつけた。

今いる場所は岩崎家の別荘で、ちょうど物音を聞きつけた岩崎陽菜が入ってきた。

「お兄様、大丈夫?」

岩崎直樹は冷笑し、その眼差しは陰鬱に冷え切っていた。

「必ず岩崎奈緒を手に入れてやる。あらゆる道具を使って、あいつを辱め殺してやる!それでなければ、この怒りは収まらん」

岩崎陽菜の瞳が輝く。兄は岩崎奈緒を、自分は藤原...

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