第311章

萩原初の顔が青ざめる。よりにもよって、どうして岩崎奈緒がこのタイミングで現れるのか！

岩崎奈緒の視線が彼女に向けられ、そこには驚きが混じっていた。

「まさか萩原さんでしたか。萩原さんはこの女性の顔をご覧になったのですか？それなのに、なぜ私だとお思いに？もし今日、私が現れなかったら、ここを出た後、ここにいる全員が私のことを尻軽女だと思うことになっていたのではありませんか」

確かにその通りだった。

もし今、岩崎奈緒が現れなければ、この業界の人々は皆、藤原光司のデザイナーがボディガードとあんなことをしたと知ることになるだろう。

このご時世、ゴシップの拡散速度は恐ろしく速い。

萩原初はそ...