第339章

岩崎奈緒はその一撃をかわし、すぐさま萩原彩花の手首を掴んで、その手から匕首を奪い取った。

病院で警備にあたっていた保安員もこの凶行に気づき、二人とも駆けつけて瞬く間に萩原彩花を取り押さえた。

萩原彩花の瞳は、依然として岩崎奈緒を射殺さんばかりに睨みつけている。

「この狐女、覚えてなさい!」

岩崎奈緒は眉をひそめた。ただ解雇されただけなのに、萩原彩花にとってそれほど大きな打撃だったのだろうか。

萩原彩花はぼろぼろと涙を流す。「あなたの味方をするなんて!あの人が!あんたたちきっと、何かやましいことがあるのよ!あの人を誘惑したんでしょ、この泥棒猫!ろくな死に方しないわよ!」

岩崎奈緒は...

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