第345章

岩崎奈緒は昨夜、久しぶりによく眠れたというのに、朝早くからまた用事ができてしまった。

眉間に皺を寄せ、彼女は直接車を飛ばして病院へと向かった。

渡川勝子と岩崎剛はまだ床に寝転がって騒ぎ立てており、「人殺しだ、人殺しー」と口々に叫んでいる。

岩崎奈緒の瞳がすっと暗くなり、足早に近づいた。

「もう十分騒いだでしょう?」

渡川勝子は彼女の姿を見ると、一瞬声を止めたが、すぐに冷笑を浮かべた。

「よくもそんなことが言えるもんだね。あたしはあんたのおばあちゃんだよ。年寄りを敬い、子供を慈しむ気持ちのかけらもないのかい。あんたの心は犬にでも食われちまったんだね」

岩崎奈緒は深呼吸を一つした。...

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