第362章

翌日、岩崎奈緒は再び病院を訪れた。

鈴木蘭と岩崎陽菜がどちらもいないことを確かめてから、彼女は岩崎直樹の病室に入った。

しかし、あのボイスレコーダーはどこにもなかった。昨日、確かにここに置いたはずなのに。

鈴木蘭と岩崎陽菜の二人は苛立っており、小さなペン一本に気を配るはずがない。まさか、看護師に片付けられてしまったのだろうか。

彼女はすぐさま尋ねに行ったが、何人かに聞いても、誰もペンなど見ていないという。

岩崎雄大の病室を通りかかったとき、トイレへ向かおうとしていた岩崎雄大と鉢合わせになった。

岩崎雄大の病室には鈴木蘭もいた。彼女は岩崎雄大の様子を常に監視していなければならないの...

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