第374章

渡川勝子の瞳がカッと見開かれ、彼女の鼻先を指差して罵声を浴びせようとしたが、数人のボディガードがいたため、それもできなかった。

岩崎雄二は大学を出ており、しかも当年は一流大学の合格ラインを二十数点も上回っていた。地元ではちょっとした騒ぎになり、家で唯一の大学生だったため、自分は人より上だと自負していた。

だから岩崎奈緒を説教する時も、どこか年上風を吹かせた態度になる。

「お前、祖母さんに対してその口の利き方はなんだ。やはり学がない子供は、基本的な礼儀も知らんらしい。やはり大学も出ていないような連中に育てられると、子供もこの様か。奈緒、叔父さんの言うことを聞きなさい。私は大学を出ているん...

ログインして続きを読む