第391章

岩崎奈緒もいくらか気まずかった。というのも、その痕跡は一つまた一つと連なり、薄紅色をしていたからだ。男がいかに情熱的にキスをしたかが、ありありと見て取れた。

彼女の顔は途端に赤くなり、口ごもる。

谷口優奈はまるで不倫現場を押さえたかのような素振りを見せた。

「この前の人?また会ったの?」

仕方なく、岩崎奈緒は頷くしかなかった。

谷口優奈はすぐに彼女を引っ張って座らせた。

「一体誰よ。この前すごく激しいって言ってたけど、半信半疑だったんだから。うちの彼が一番激しいと思ってたけど、上には上がいるのね。それにしても、あんたの様子を見てると、その男、まるで飢えた獣じゃない!奈緒、あんたす...

ログインして続きを読む