第407章

岩崎陽菜はその場で高らかに笑い、勝ち誇ったように言い放った。

「お父さんは私に株を二割くださるそうよ。そしてあんたは、岩崎グループの経営を任される。つまり、あんたが馬車馬のように働いて稼いだお金を、私は座っているだけで手に入れられるってわけ。気づかなかった? あんたはいいように利用されたのよ。可哀想に。二十数年一緒に暮らした情も、血の繋がりには敵わないのね」

「岩崎奈緒、誰もあんたのことなんて気にしてない。藤原光司もよ」

岩崎奈緒は彼女を無視し、そのまま車を走らせてその場を去った。

バックミラーに映る岩崎陽菜の姿を見ながら、この瞬間、彼女が完全に勝利したのだと悟る。

岩崎陽菜の言っ...

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