第417章

藤原光司がその知らせを受け取ったのは、滞在先のホテルに戻った後のことだった。眉間に深く皺を寄せ、すぐに電話をかけたが、萩原初は出なかった。

ひとまずボディガードを向かわせようかと思った矢先、萩原初から新たなメッセージが届いた。

【苦しい】

藤原光司はジャケットを掴むと部屋を飛び出し、指定されたホテルへ向かった。部屋の前に着くと、ドアをノックする。

ドアには鍵がかかっておらず、半開きになっていた。スイートルームらしく、リビングには誰もいない。

彼はドアを押し開け、声をかけた。

「初?」

寝室から物音が聞こえた。彼女に何かあったのかと思い、すぐに寝室へと向かう。

しかし、ドアが開...

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