第418章

彼女は藤原光司に飛びかかろうとしたが、藤原光司はさっさと寝室のドアを開けて出て行ってしまった。

「あなた!」

岩崎陽菜は再び叫んだ。その瞳の奥には陰険な毒が宿っている。

彼が彼女を嫌えば嫌うほど、好都合だ!

はは、天も私に味方している!

「あなた、一緒に行きたいわ」

岩崎陽菜は本当は怖かったが、わざとそんなことを言って彼を不快にさせようとした。

案の定、藤原光司の足が止まった。彼はふと振り返り、一言一言、静かに告げた。

「人を一人消すことなど、俺にとっては容易いことだ」

岩崎陽菜の顔が途端に青ざめ、それ以上挑発する勇気はなかった。

藤原光司はそのまま立ち去り、階下で萩原初...

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